喉が痛い、コロナ予防、科学に裏付けられたお勧めのAyurveda、自然療法

病状、疾患別対処法

咽頭炎は、誰もが一度は経験する一般的な不調です。咽頭炎の主な原因のうち、治療に抗生剤を必要とするのは一つだけです。ほとんどの咽頭炎の症状の予防と治療には、自然な方法で対処することができます。 

咽頭炎の主な原因:

  • ウイルス性咽頭炎(感染性)
  • 細菌性咽頭炎(感染性)
  • 真菌性咽頭炎(感染性)
  • アレルギー関連(非感染性)
  • 胃酸逆流関連(非感染性)

咽頭炎の原因を突き止めることが肝心です。最も多い感染原因はウイルス感染です。ただし、細菌感染や、場合によっては真菌感染でも、感染性咽頭炎を引き起こすことがあります。非感染性咽頭炎(通常、アレルギーや食物過敏症が原因)にも、 後鼻漏(こうびろう)よる刺激、および胃酸逆流による炎症・疼痛という2つの代表的な原因があります。 

咽頭炎によく見られる症状

以下は、5種類の咽頭炎すべてに共通すると考えられる症状です。

  • 発赤
  • 腫れ
  • 刺激 
  • いがらっぽさ 

概して、飲食物や唾液を飲み込むと痛みを強く感じます。 

さらに、咽頭炎が感染性の場合は、以下の症状が現れる場合もあります。 

  • 発熱
  • 頭痛 
  • リンパ節の腫れ
  • 扁桃腺の白斑
  • 皮疹
  • 筋肉痛
  • 関節痛 
  • 腹痛(通例では子供のみ)
  • 嘔吐(通例では子供のみ)

咽頭炎の治療法は原因によってさまざま 

ウイルス性咽頭炎

ウイルスを原因とする咽頭炎は、大抵1週間以内には自然に回復します。ただし、激痛を伴う場合や痛みが持続する場合は、医師の診断を受け、細菌を原因とする症状でないことを確認することが大切です。咽頭炎は、風邪(上気道感染症)またはインフルエンザの発症中にも見られ、咳や痰の絡みを伴うことがよくあります。 

エプスタイン・バール・ウイルス(単核球症の原因ウイルス)による咽頭炎は、特に青年期に起こりやすい症状です。伝染性単核球症は、関節痛、全身発疹、発熱、脾肥大、重度の倦怠感などを引き起こすおそれのある重篤なウイルス感染症です。ウイルス性の咽頭炎には、抗生物質が効かない点に注意が必要です。伝染性単核球症の患者が抗生物質を服用すると、副作用としてこの症状特有の発疹が出やすくなります。単核球症の症状が完全におさまるまで、最大4週間かかることがあります。

細菌性咽頭炎

細菌性咽頭炎の原因で最も多いのが化膿連鎖球菌で、一般に連鎖球菌性咽頭炎と呼ばれます。性感染症である淋病とクラミジア感染症も、咽頭炎や扁桃炎を引き起こす場合があります。医師の多くは、主な特徴を基準に細菌性咽頭炎を診断しています。連鎖球菌性咽頭炎には以下の症状が挙げられます。

  • 38度以上の発熱
  • 咳なし
  • 喉の奥に白っぽい膿の袋または損傷 
  • リンパ節の圧痛

細菌感染症の治療には抗生物質が含まれます(繰り返しますが、抗生物質はウイルス感染症や真菌感染症には効果がないことにご注意ください)。稀に、連鎖球菌やその他の細菌が原因で扁桃腺に膿瘍が形成されることがあります。膿瘍が生じると、排液のための簡単な外科処置(膿瘍ドレナージ)が必要になることがあります。

真菌性咽頭炎

喉の真菌感染症は、糖尿病(真菌系統の余剰糖分)や免疫不全患者が発症しやすい疾患です。また、口腔・咽喉の健康な細菌を破壊するおそれのある抗生物質の副作用としても、発症する可能性があります。このタイプの感染症は一般に口腔カンジダ症と呼ばれます。ほとんどのケースで、原因疾患の治療や抗真菌薬の服用が推奨されます。 

アレルギー関連の咽頭炎

慢性アレルギー症状のある人は、後鼻漏(鼻水が喉の奥に流れ出る慢性疾患)にかかりやすくなります。後鼻漏は刺激や炎症を引き起こすことが多く、これが痛みや不快感につながります。アレルギー反応の原因となる成分を見つけることが重要です。原因がわからない場合は、アレルギー専門医に相談すると良いでしょう。抗アレルギー療法や副鼻腔洗浄は、辛い症状の緩和に役立つと思われます。

胃酸逆流による咽頭炎

慢性胃酸逆流でしゃがれ声になったり、咽頭炎に至ることもあります。患者の多くは、食習慣を変えたり、食べる量を減らして食事回数を増やすといった方法で効果を上げています。胃酸逆流の症状が2週間以上続く場合は、医師の診察を受けることが大切です。時には処方薬が必要となります。

従来の咽頭炎対処法

咽頭炎の原因を特定したのち、以下の方法が可能です。

  • 市販の鎮痛剤(パラセタモール、アセトアミノフェン、イブプロフェンなど)を服用
  • 塩を入れた温水(お湯に塩小さじ1/2)でうがい注意:飲み込まないこと)
  • 加湿器を使用
  • 水分を十分とること
  • 酸性食品を避けて
  • タバコの煙を避けて

自然な咽頭炎対処法 

自然な方法を取り入れることもできます。注:これらの方法は、細菌感染症または真菌感染症の治療にはお勧めできません。細菌感染症・真菌感染症については、必ず医師にご相談ください。ただし、免疫力の強化と症状抑制に役立てるなら、以下の方法が有効な場合があります。 次にご紹介する治療法は、主にウイルス感染症患者が対象です。ここに挙げる方法は、細菌感染症と真菌感染症の症状にも役立つ可能性がありますが、この2種類の感染症に関しては、医師による治療に勝るものはないことをお忘れなく。 

自然療法

エキナセア

エキナセア (ムラサキバレンギク、学名 Echinacea purpurea)は、北米先住民による利用を起源として、以来2千年近くも使用されてきた多年草です。エキナセアは、呼吸器感染症や咽頭炎の治療に用いられてきました。 

JAMA(Journal of the American Medical Association)誌の2015年の研究では、エキナセアの使用で、予防への効果は見られなかったものの、風邪の罹患期間を短縮する可能性が示されました。従って、咽頭炎を含む風邪の症状を軽減できると考えられます。 

 Holistic Nurse Practitioner 誌に発表された2016年の研究では、風邪予防、つまり咽頭炎症状の予防にエキナセアの効果が期待できることが実証されました。その他の研究でも同様の結果が示されています。 エキナセア はハーブティーの他にも、カプセルやエキスとして摂取されています。

ハーブ「エキナセア」について  

エルダーベリー

エルダーベリーは、世界各地の先住民が薬用として何世紀にもわたって使用してきた顕花植物です。近年、エルダーベリーの人気が急上昇しています。 

伝統療法の範囲内で、エルダーベリーは関節炎に関連する痛みの治療に使用されてきました。また、風邪の症状抑制にも広く使用されています。エルダーベリーは、南米の人々の間で代々薬用として利用されてきました。アメリカ先住民は、エルダーベリーをさまざまな感染症や発熱の治療薬として使用し、一方ヨーロッパではエルダーベリーの実で薬用シロップを作る風習があります。 

ORAC (活性酸素吸収能力)値を測定する研究では、 エルダーベリー が、高い抗酸化性と健康効果で知られるブルーベリーやクランベリーよりもさらに 抗酸化 値が高いことが示されています。 

2016年の研究では、エルダーベリーが航空旅客の風邪の症状の持続時間を短縮する可能性があることが示された一方で、Phytochemistry誌掲載の2009年の研究では、エルダーベリーが一般的な抗インフルエンザ薬オセルタミビル(タミフル)やアマンタジンと同様に機能し得ることが示されました。同様に、2014年の研究では、エルダーベリーはインフルエンザウイルスの有効な治療法となる可能性があると結論付けられました。咽頭炎は、インフルエンザウイルス感染者によく見られる症状です。 

ショウガの根茎

 ショウガ の学名はzingiber officinale、根茎はショウキョウ(zingiberis rhizoma)と呼ばれます。ショウガは、元来 東南アジア原産の顕花植物ですが、その太い根茎は中国、インド、ポリネシア、アフリカの伝統医療でも使用されてきました。ショウガは、人気の高い料理用スパイスでもあります。 

 アーユルヴェーダ医学と伝統中国 医学では、ショウガの治癒・薬理作用が高く評価されています。ショウガの 有効成分はジンゲロールとショウガオールです。

伝統医学において、ショウガはウイルス性上気道感染症の治療法として定評があります。ショウガの根茎がCOX-2阻害剤となり、NSAID(非ステロイド性抗炎症薬:イブプロフェン、ナプロキセン、インドメタシンなど)と同様の役割を果たし、発熱や咽頭炎軽減が期待できることが複数の研究で示されています。 

さらに、ショウガは気道内で抗コリン作用を発揮することが示されています。このように、胸部に痰が溜まるのを抑え、咳の症状軽減を促進する ショウガ は、咳風邪やインフルエンザ感染症の症状治療に役立つ優れた選択肢と言えます。ショウガは、咽頭炎関連の痛みを軽減する可能性もあります。 

緑茶

緑茶 は、消費量が水に次いで世界第2位という、広く普及した飲料です。大手術後の気管内挿管を原因とする咽頭炎はよくある症状です。 

Anesthesia Pain Medicine誌の2016年の研究では、バイパス術(開心術)を受けた患者が、術後の1日に6時間おきに緑茶溶液でうがいをしたところ、プラセボ溶液よりも咽頭炎の症状が改善したことが示されました。緑茶の抗炎症作用が咽頭炎の軽減に役立ったというのが研究員らの見解です。他にも、同様の結果が示された研究がいくつかあります。 

ハチミツ

ハチミツ は、咳をはじめ、喉関連症状の改善に、長年世界中で推奨されてきました。2015年の研究では、 扁桃腺摘出術後の痛みを軽減するハチミツの効果が評価されました。その結果、ハチミツは疼痛症状全般の軽減に有効である可能性が示されました。

甘草根

Anesthesia and Analgesia誌に発表された2013年の研究では、気管内挿管が行われた術後の患者が評価されました。同研究の評価対象となった患者は236人です。そのうちの半数が砂糖水溶液で、残りの半分が 甘草エキス と水の溶液でうがいをしました。その結果、「甘草溶液でのうがいにより咽頭炎の発生が半分に抑えられた。挿管前に甘草溶液でうがいをすると、発症しがちな煩わしい合併症の予防として簡単な方法と見られる。」との結論に達しました。 

マシュマロルート

マシュマロルート(ウスベニタチアオイの根) (学名 Althaea Officinalis)は、西アジア、北アフリカ、ヨーロッパを原産とするハーブです。マシュマロルートは、過去数千年にわたり、薬用として消化器や呼吸器障害の治療に用いられてきました。 2018年の研究では、マシュマロルートが乾性咳(空咳)に悩む人の救いになる可能性があると結論付けられました。同研究参加者には咽頭炎も見られました。マシュマロルートは、サプリメントとしてだけでなく、ハーブティーとして飲むこともできます。 

ペパーミント 

ペパーミント は誰もが知るハーブで、エッセンシャルオイルとしても販売されています。ウォーターミントとスペアミントの交配種であるペパーミントは、柔らかい毛に覆われた葉と茎が特徴で、日陰の湿地帯で最も成長しやすい傾向があります。ヨーロッパ原産のペパーミントには、数多くの効能があります。ペパーミントティーには、喉を癒す働きが期待できます。また、ペパーミントの香りは、吸入することで鼻づまり解消も図れます。推奨用量:ハーブティーとして飲むか、ディフューザーに入れてエッセンシャルオイルとして使用します。 

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