「ルビコン」老化を止める鍵:アンチエイジング Anti-aging

予防医学関連

オートファジーによって老化を止める研究は加速しています。

オートファジーの記事をまだ読んでいない方はこちらのリンクを読んでいただけたら幸いです。

19年に、「ルビコン」と呼ばれるオートファジーのブレーキ役となるたんぱく質が、
加齢とともに増加することが明らかになりました。

最近では、オートファジーを促進するたんぱく質は以前から幾くつも発見されていましたが、
この「ルビコン」をコントロールすることで
老化を止められる可能性があるかもしれないという研究がなされています。

ルビコンの抑制によって寿命を延ばす効果は、動物実験では確かめられています。

遺伝子操作によりルビコンの働きを抑えた線虫を観察したところ、
オートファジーの活性化が認められ、寿命が平均20%も延びたという。
老いても活発に動き続けていたため、健康寿命も延びたと考えらます。

「実験では、年老いた線虫が通常の線虫に比べて2倍の運動量を示した。
人間に置き換えれば、80歳の老人がフルマラソンを容易に走りきるようなものだ」

オートファジーが活発であれば、感染症に対する免疫力の向上も期待できます。
オートファジーは細胞内に侵入してきた病原体を殺す役割があるうえ、
ウイルスに対する抗体を作る際にも必要となります。

「まだ未解明な部分も多いが、老人はオートファジーが抑制されているため、免疫力や抗体を作る能力が弱まります。実験では、老化したヒトのオートファジーを活性化すると、抗体を作る能力が回復することが報告されている。オートファジーは新型コロナを含む感染症への抵抗力を高める可能性がある」

 その他、認知症の予防にも役立つ可能性を秘めています。
認知症患者の脳内では、「アミロイドβ」というたんぱく質が増えて塊を作り、
神経細胞が死んでいくが、「塊を作るたんぱく質に対して選択的にオートファジーが起こり、正常な状態に戻そうとすることも分かっています。アミロイドβなどを除去するのもオートファジーの役割の一つです」

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