瞑想を始める前に知っておくべきこと:Panchakosha 

瞑想について

瞑想の身体観

「パンチャ」=5
「コーシャ」=鞘、層

パンチャコーシャとは瞑想、ヨーガの身体観であり、「身体と心のとらえ方」のことです。
人の身体はどのようになりたっているのか?構造のことをいいます。

人間の存在は5つの鞘(層)で構成されています。
目に見える肉体は「粗大」な物ととらえ、層が内に向かうほど「微細」になっていきます。

5層は互いに影響しあうため、1つの層のバランスが崩れると全体も影響を受けて崩れてしまい
心身に不調をきたすともいわれています。

「パンチャコーシャ」身体5鞘説

①アンナマヤコーシャ
 (食物鞘=肉体)

 一番外側の層であり、肉、骨、血管などから構成されている肉体、食べ物で出来ている層。
 食べ物という粗雑なものでできているため、痛みや疾患として表れやすい。
 多くの人にとって身体の内側は「自分の領域」身体の外側は「自分以外の領域」であり、
 肉体(皮膚の表面)が自と他を分ける境界線になる。
 通常私たちはこの肉体を自分自身だと思い込んでいるが、大きな間違い。
 本当の自分、本質から遠ざけてしまうのがこの「肉体こそ自分自身」の誤認知。
 この誤認知を正しくしていくのがヨーガの実践。
 この層を整えるには、ドーシャのバランスを取ることが重要となる。

②プラーナマヤコーシャ
 (生気鞘=自律神経系機能)
 プラーナとは生命エネルギーのこと、私たちの肉体の内側にもその周囲にも取り囲むように存在。
 プラーナは呼吸によって肉体に取り込まれ、細胞の隅々まで届く。
 プラーナ無くして身体を動かすことも、思考することも、生命の維持も不可能。
 プラーナが、
 ・充分に満ちている=私たちの気分は良くなる
 ・何らかの事情で減少=病気になる
 ・完全に無くなる=死を迎える
 新鮮なプラーナを取り入れ、流れを整えることで生命力が高まる。
 この層は食物鞘と意思鞘の影響を受けたり与えたりする層で、
 心と肉体の架け橋ともいわれる。

③マノマヤコーシャ

 (意思鞘=感覚、運動)
 感覚や意識に関わる、感情のコントロールの層。
 5種の知覚器官(味・聴・視・触・嗅)、
 5種の運動器官(手・足・生殖器・排泄器官・発語器官)、
 これらを束ねる意思(マナス)の11種の心理的器官が属している。
 私たちは感覚器官を通して色々なことを感じたり、思考したりするため、
 無知や誤認知が暴走しやすくそれが「ストレス」の源になるといわれる。
 心のエネルギーを司り、外からの刺激や出来事に反応して表出する感情の層。
 ここをコントロールでできないと心が振り回されて乱れてしまう。
 感覚器官を自分の内側へ向け、外の世界の刺激と心を優しく引き離していく作業を繰り返す、
 客観視を必要とする。

④ヴィジュニャーナマヤコーシャ

 (理知鞘=知性、感性、意識)
 知性と感性の機能であり、区別や識別の心理作用が働く潜在意識の層。
 この記憶が感情の基準を判定し判断するため、
 ここが乱れると正しい思考と行動の選択に影響が出るといわれる。
 理知鞘を構成する精神性には「自由」「勇気」「愛」「向上心」「堅固さ」「しなやかさ」 
 「寛大」「遊び心」「大胆」「不屈」「柔らかさ」「身を委ねる」、、、
 などさまざまな要素がある。
 この知性の層が乱れていると、正しい思考と行動の選択を行うことができない。
 アーユルヴェーダでは、「知性の過ちが病気の最大の原因」と考える。
 この層をコントロールすることがヨーガの目的とされる。

⑤アーナンダマヤコーシャ

 (歓喜鞘)
 一番内側の層、純粋な幸福と関係する層。
 本来は苦悩が無く喜びで満ち溢れているところのはずが、
 チッタ(心素)と呼ばれる記憶に影響を受けてモヤがかかった状態になっていることが多い層。
 この中のトラウマや不健康に記憶されている判断基準により、心身状態を悪化させることがある。

 本来人間の本質は、純粋で幸福感に満ちている。
 この歓喜層が、宇宙・生命全体の根源とつながる「真我」を包み込んでいる。
 5鞘説によれば、私たちは幸福に満ちた層を包み込むように5層が重なって宇宙に存在。
 純粋なエネルギーを取り入れながら、それぞれの層を健やかにしてバランスを整えることで
 存在の「芯」となる部分が幸福で満たされるといわれる。

「自分を作り出す鞘」のバランスを取る

上記のようにパンチャコーシャでは、
私たち人間の存在は「肉体」「生命エネルギー」「意思」「精神性」「至福感」という
5つの異なる次元の「自分をつくり出す鞘」がまとまって出来ていると考えられています。

これら5つの鞘は1つのエネルギーで出来ているので、
ある鞘に生じた変化はほかの全ての鞘に影響を与えます。

例えば、分かりやすく関連を説明すると、、

①食物鞘(肉体レベル)が空腹状態になる
 ↓↓
②生気鞘の生命エネルギーが落ちる
 ↓↓
③意思鞘ではイライラがつのり
 ↓↓
④理智鞘では寛大さという精神性がうすれ
 ↓↓
⑤歓喜鞘では至福感が失われる


となります。

5鞘全体の調和がとれ、
それぞれの鞘が健やかでバランスが取れている状態が「健康」とされています。

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